無題

『東燃ゆる大海に ろの音きしる 朝ぼらけ』


これ、私の小学校の時の校歌なんです。

震災で、廃校になりましたが。


子どもながらにすごく難しい言葉の校歌で、

1年生の時に解説を受けた気がしたんだけど、当時はピンと来なくて、

そのあとも、校歌は歌えるんだけれど、「ろ」ってなんだろ?ってずっと思ってて。


廃校になるとき、あるきっかけで、その1年生の時の先生にお会いすることができて

思い出話に浸ってたんだけど、

そういえば、と思って、聞いてみたんです。


「先生、私ずっとわからないことがあって。『ろの音きしる』の『ろ』って何ですか?」って。

すると

「ろ、って櫓よ。櫂(かい)」


それを聞いた瞬間に、太平洋の海へ向かって、ふんどし一丁で櫓をこいで朝日の方へ向かっている曾祖父の姿が浮かびました。


震災の津波により、私は母と祖母(父方)、友人たちを亡くしましたが、前回あった津波では曾祖夫が津波で亡くなっています。


祖母(母方)は父と娘を津波で亡くしてしまいました。

それでも、私たちは海の恩恵をうけ、生きてきました。


『東燃ゆる大海に ろの音きしる 朝ぼらけ』

すごい校歌だな・・・。と今でも時々思います。