こどもたちへの遺言
自分にもしも何かあったとき、伝えておきたい事・・。
それは、わたしのもとへやってくる前の二人のお話です。
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息子くんと娘ちゃんは生まれる前からとても仲が良くて一緒にこの世に生まれてこようと約束していました。
息子くんはお母さんを探そうと空から探していました。
ある日、お母さんが一人暮らしをして間もない時、当時飼っていた犬とてくてく散歩している姿を見て
「この人がお母さんでもいいなぁ。」
と思いました。
娘ちゃんに、「この人がお母さんでもいい?」と聞くと「うん、いいよ。」と答えてくれました。
その時、お母さんはお父さんと出会っていませんでしたので、お父さんを探してあげようと思いました。
お母さんにあいそうな人がいましたので、この人をお父さんにしようと思い、お母さんとお父さんを出会わせてあげました。
お母さんとお父さんは出会って、結婚することになりました。
神様に「この人とこの人のところへ行ってもいいですか。」と聞くと「いいですよ。」と答えてくれました。
でも、お母さんはお仕事が忙しかったので、子どもはまだ先にしよう、と思っていました。
息子くんと娘ちゃんは待つことにしました。
その時、もう一人、
「まーぜーて。」
ときた男の子が来ましたが、
「お母さん、まだだめなんだって。」
と教えると
「ふーん。」
とつまらなそうな、残念そうな顔をしてどこかへ行ってしまいました。
もし、「いいよ。」と言っていたら、3人兄妹になっていたかもしれません。
雲の上で二人で遊んだり、眠ったりしてのんびり過ごしていました。
すると、神様が「お母さんがまだ来ないのかなぁ、って言っているよ。」と教えてくれました。
空からのぞいてみると新しい仕事に戸惑いながらお父さんと離ればなれになっているお母さんが少しさみしそうです。
息子くんが先にお母さんのところへいくことにしました。
「娘ちゃん、先に行くからね。ちゃんと忘れないできてね。早すぎても駄目だよ、お母さんが大変だから。そうだ、2年後くらいがいいかな。」
というと
「うんわかった。」
とこっくりうなずきました。
いよいよお空から離れます。娘ちゃんと手をつないで待っているとちょっぴり不安になります。
でも、娘ちゃんは息子くんがいるから少し安心しています。
その時と同じ表情をしているのが、七五三でとった袴の写真です。
「じゃ、行くね。」
息子くんとお別れして光のほうへ進んでいきました。
トンネルがありました。
ぴゅーっと入るとお母さんのお腹につきました。とても居心地がよいのです。
そうして真面目な息子くんは予定日の一日前に生まれました。
よし、そろそろ生まれなきゃ、と思っていたのだけれど、だんだん疲れてしまいました。
でもお母さんががんばって産んでくれました。
1年が過ぎたころ、約束通り娘ちゃんは光のトンネルをくぐってお母さんのお腹に入りました。
とても居心地がよくてのんびり屋の娘ちゃんはお腹から出ることも忘れてぐぅぐう寝ています。
お外に出るのを忘れた、というか出る方法がわからなかったのです。
そんな時神様が
「そろそろお外に行きなさい。もうすぐお母さんの誕生日だからその日に生まれてはどうかな?」
と言ってくださったので、そうすることにしました。
そうして息子くんと娘ちゃんはお母さんとお父さんの所へやってきてくれたのでした。
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このノートを二人が読んでいるとき、今度はお母さんが空からのぞいて二人を見てるよ。
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